【お経】
 修証義般若心経大悲心陀羅尼観音経寿量品遺教経・甘露門・舎利礼門参同契宝鏡三昧 

永嘉大師証道歌

  証道歌
 証道歌 (しょうどうか)は独特の韻を踏んだ247句1814文字より成る偈頌で、「禅宗四部録(信心銘証道歌十牛図坐禅儀)」の一つである。

永嘉玄覚 (ようかげんかく)禅師(665~713AD)
 六祖慧能大師の法嗣、号は真覚。無相大師と諡される。 浙江省温州府永嘉県出身、姓は戴(たい)氏、字は明道、諱は烈。
 永嘉県で生まれ永嘉県で法を挙揚したので、一般には永嘉玄覚禅師と呼ばれている。
 天台宗第八祖の左谿玄朗 (さけいげんろう)禅師に勧められ、曹渓に六祖大師を尋ね、一宿ののちに法を嗣いだので、一宿覚と呼ばる。
永嘉証道歌
唐愼水沙門玄覚撰
君不見。 絶学無為間道人。不除妄想不求真。無明実性即仏性。幻化空身即法身。法身覚了無一物。本源自性天真仏。 五陰浮雲空去来。参毒水泡虚出没。証実相無入法。刹那滅却阿鼻業。若将妄語誑衆生。自招拔舌塵沙劫。 頓覚了如来禅。六度万行体中円。夢裏明明有六趣。覚後空空無大千。無罪福無損益。寂滅性中莫問覓。 比来塵鏡未曽磨。今日分明須剖析。誰無念誰無生。若実無生無不生。喚取機関木人問。求仏施功早晩成。 放四大莫把捉。寂滅性中随飲啄。諸行無常一切空。即是如来大円覚。決定説表真僧。有人不肯任情徴。 直截根源仏所印。摘葉尋枝我不能。摩尼珠人不識。如来蔵裏親收得。六般神用空不空。一顆円光色非色。 浄五眼得五力。唯証乃知難可測。鏡裏看形見不難。水中捉月争拈得。常独行常独歩。達者同遊涅槃路。 調古神清風自高。貌顇骨剛人不顧。窮釈子口称貧。実是身貧道不貧。貧則身常披縷褐。道則心蔵無価珍。 無価珍用無尽。利物応機終不悋。参身四智体中円。八解六通心地印。上士一決一切了。中下多聞多不信。 但自懐中解垢衣。誰能向外誇精進。従他謗任他非。把火焼天徒自疲。我聞恰似飲甘露。銷融頓入不思議。 観悪言是功徳。此即成吾善知識。不因訕謗起寃親。何表無生慈忍力。宗亦通説亦通。定慧円明不滞空。 非但我今独達了。恒沙諸仏体皆同。師子吼無畏説。百獣聞之皆脳裂。香象奔波失却威。天龍寂聴生欣悦。 遊江海渉山川。尋師訪道為参禅。自従認得曹渓路。了知生死不相関。行亦禅坐亦禅。語黙動静体安然。 縦遇鋒刀常坦坦。仮饒毒薬也間間。我師得見然灯仏。多劫曽為忍辱仙。幾迴生幾迴死。生死悠悠無定止。 自従頓悟了無生。於諸栄辱何憂喜。入深山住蘭若。岑崟幽邃長松下。優游静坐野僧家。閴寂安居実蕭灑。 覚即了不施功。一切有為法不同。住相布施生天福。猶如仰箭射虚空。勢力尽箭還墜。招得来生不如意。 争似無為実相門。一超直入如来地。但得本莫愁末。如浄琉璃含宝月。既能解此如意珠。自利利他終不竭。 江月照松風吹。永夜清宵何所為。仏性戒珠心地印。霧露雲霞体上衣。降龍鉢解虎錫。両鈷金環鳴歴歴。 不是標形虚事持。如来宝杖親蹤跡。不求真不断妄。了知二法空無相。無相無空無不空。即是如来真実相。 心鏡明鑒無礙。廓然瑩徹周沙界。万象森羅影現中。一顆円光非内外。豁達空撥因果。莽莽蕩蕩招殃禍。 棄有著空病亦然。還如避溺而投火。捨妄心取真理。取捨之心成巧偽。学人不了用修行。深成認賊将為子。 損法財滅功徳。莫不由斯心意識。是以禅門了却心。頓入無生知見力。大丈夫秉慧剣。般若鋒兮金剛焔。 非但空摧外道心。早曽落却天魔膽。震法雷撃法鼓。布慈雲兮灑甘露。龍象蹴踏潤無邊。参乗五性皆醒悟。 雪山肥膩更無雑。純出醍醐我常納。一性円通一切性。一法遍含一切法。一月普現一切水。一切水月一月攝。 諸仏法身入我性。我性同共如来合。一地具足一切地。非色非心非行業。弾指円成八万門。刹那滅却参祇劫。 一切数句非数句。與吾霊覚何交渉。不可毀不可讃。体若虚空勿涯岸。不離當処常湛然。覓即知君不可見。 取不得捨不得。不可得中只麼得。黙時説説時黙。大施門開無壅塞。有人問我解何宗。報道摩訶般若力。 或是或非人不識。逆行順行天莫測。吾早曽経多劫修。不是等間相誑惑。建法幢立宗旨。明明仏勅曹渓是。 第一迦葉首伝灯。二十八代西天記。法東流入此土。菩提達磨為初祖。六代伝衣天下聞。後人得道何窮数。 真不立妄本空。有無倶遣不空空。二十空門元不著。一性如来体自同。心是根法是塵。両種猶如鏡上痕。 痕垢尽除光始現。心法双忘性即真。嗟末法悪時世。衆生福薄難調制。去聖遠兮邪見深。魔強法弱多恐害。 聞説如来頓教門。恨不滅除令瓦砕。作在心殃在身。不須寃訴更尤人。欲得不招無間業。莫謗如来正法輪。 旃檀林無雑樹。欝密森沈師子住。境静林間独自遊。走獣飛禽皆遠去。師子兒衆随後。参歳便能大哮吼。 若是野干逐法王。百年妖怪虚開口。円頓教勿人情。有疑不決直須争。不是山僧逞人我。修行恐落断常坑。 非不非是不是。差之毫釐失千里。是則龍女頓成仏。非則善星生陷墜。吾早年来積学問。亦曽討疏尋経論。 分別名相不知休。入海算沙徒自困。却被如来苦訶責。数他珍宝有何益。従来蹭蹬覚虚行。多年枉作風塵客。 種性邪錯知解。不達如来円頓制。二乗精進勿道心。外道聡明無智慧。亦愚癡亦小騃。空拳指上生実解。 執指為月枉施功。根境法中虚掜怪。不見一法即如来。方得名為観自在。了即業障本来空。未了応須還夙債。 饑逢王膳不能飡。病遇医王争得瘥。在欲行禅知見力。火中生蓮終不壊。勇施犯重悟無生。早時成仏于今在。 師子吼無畏説。深嗟𢢺重障菩提。不見如来開秘訣。有二比丘犯婬殺。波離螢光増罪結。維摩大士頓除疑。 猶如赫日銷霜雪。不思議解脱力。妙用恒沙也無極。四事供養敢辭労。万両黄金亦銷得。粉骨砕身未足酬。 一句了然超百億。法中王最高勝。恒沙如来同共証。我今解此如意珠。信受之者皆相応。了了見無一物。 亦無人亦無仏。大千沙界海中漚。一切聖賢如電払。仮使鉄輪頂上旋。定慧円明終不失。日可冷月可熱。 衆魔不能壊真説。象駕崢嶸謾進途。誰螗蜋能拒轍。大象不遊於兎徑。大悟不拘於小節。莫将管見謗蒼蒼。 未了吾今為君訣
永嘉証道歌終

和文

永嘉証道歌
唐愼水沙門玄覚撰
君見ずや、 絶学無為の閑道人、妄想を除かず真を求めず。 無明の実性即仏性、幻化の空身即法身。 法身覚了すれば無一物、本源自性天真佛。 五陰の浮雲は空去来、三毒の水泡は虚出没。 実相を証すれば人法なし、刹那に滅却す阿鼻の業。 若し妄語をもって衆生を誑(たぶら)かさば、自ずから抜舌を招くこと塵沙劫ならん。 頓に如来禅を覚了すれば、六度万行体中に円なり。 夢裡明明として六趣あり、覚後空空として大千なし。 罪福もなく損益もなし。寂滅性中問覓(もんみゃく)すること勿れ。 比来塵鏡未だ曽て磨せず、今日分明に須く剖析(ほうしゃく)すべし。 誰か無念誰か無生、若し実に無生ならば不生もなし。 機関木人を喚取して問え、佛を求め功を施さば早晩(いつ)か成ぜん。 四大を放って把捉(はしゃく)すること莫れ、寂滅性中随って飲啄(おんたく)せよ。 諸行無常一切空、即ち是れ如来の大円覚。 決定の説は真僧を表す、人有り肯わずんば情に任せて徴せよ。 直に根源を截(き)るは佛の印する所、葉を摘み枝を尋るは我れ能わず。 摩尼珠、人識らず、如来蔵裡に親しく収得す。 六般の神用空不空、一顆の円光色非色。 五眼を浄うし五力を得、唯だ証して乃ち知る測る可きこと難し。 鏡裡に形を看る見ること難からず、水中に月を捉(とら)う争(いかで)か拈得せん。 常に独り行き常に独り歩す、達者同じく遊ぶ涅槃の路。 調べ古(ふ)り神清うして風自ら高し。 貌(かたち)かじけ骨剛うして人顧みず。 窮釈子口に貧と称す、実に是れ身貧にして、道貧ならず。 貧なれば身常に縷褐(るかつ)を被す、道あれば心に無価の珍(たから)を蔵(おさ)む。 無価の珍は用うれども尽ることなし、物を利し縁に応じて終に惜しまず。 三身四智体中に円なり、八解六通心地に印す。 上士は一決して一切了ず、中下は多聞なれども多く信ぜず。 但自ら懐中に垢衣を解け、誰か能く外に向って精進に誇らん。 他の謗するに従い他の非するに任す、火を把(とっ)て天を焼く徒(いたず)らに自ら疲る。 我れ聞て恰も甘露を飲むが如し、鎖融(しょうゆう)して頓に不思議に入る。 悪言はこれ功徳なりと観ずれば、これ即ち吾が善知識となる。 訕謗(せんぼう)によって怨親を起さざれば、何ぞ無生慈忍の力を表せん。 宗も亦通じ説も亦通ず、定慧円明にして空に滞らず。 但我れ今独り達了するのみに非ず、恒沙の諸佛体皆な同じ。 獅子吼無畏の説、百獣之を聞て皆脳裂す。 香象奔波するも威を失却す。 天竜寂に聴て欣悦(ごんえつ)を生ず。 江海に遊び山川を渉り、師を尋ね道を訪(とぶら)うて参禅をなす。 曹谿の路を認得してより、生死相関(あずか)らざることを了知す。 行も亦禅、坐も亦禅、語黙動静体安然。 縦(たと)い鋒刀に遇うとも常に坦坦、仮(たとい)饒毒薬も他(また)間間(かんかん)。 我が師然燈佛に見ゆることを得て、多劫曽て忍辱仙と為る。 幾回(たび)か生じ幾回か死す。 生死悠々として定止なし。 頓に無生を悟了してより、諸(もろも)ろの栄辱に於て何ぞ憂喜せん。 深山に入り蘭若(らんにゃ)に住す、岑崟幽邃(しんきんゆうすい)たり長松の下(もと)。 優遊として静坐す野僧が家、閴寂(げきせき)たる安居実に瀟洒。 覚すれば了じて功を施さず、一切有為の法は同じからず。 住相の布施は生天の福、猶お箭(や)を仰いで虚空を射るが如し。 勢力つきぬれば箭還って堕つ、来生の不如意を招き得たり。 いかでか似かん無為実相の門、一超直入如来地なるに。 但だ本を得て末を愁ること莫れ、浄瑠璃に宝月を含むが如し。 我れ今この如意珠を解す、自利利他、終に竭(つ)きず。 江月照し松風吹く、永夜の清宵何の所為ぞ。 佛性の戒珠心地に印す、霧露雲霞体上の衣(え)。 降竜の鉢解虎の錫、両鈷の金環鳴って歴歴。 是れ形を標して虚しく事持するにあらず如来の宝杖親しく蹤跡す。 真をも求めず妄をも断ぜず、二法空にして無相なることを了知す。 無相は空なく不空もなし、即ち是れ如来の真実相。 心鏡明かに鑑みて碍(さわ)りなし、廓然として瑩徹(えいてつ)して沙界に周し。 万象森羅影中に現ず、一顆の円光内外に非ず。 闊達の空は因果を撥(はら)う、莽莽蕩蕩(もうもうとうとう)として殃禍(おうか)を招く。 有を棄て空に著く病亦然り、還(ま)た溺を避けて、火に投ずるが如し。 妄心を捨て真理を取る、取捨の心、功偽(こうぎ)と成る。 学人了せずして修行を用う、真に賊を認めて将(も)って子となす。 法財を損じ功徳を滅することは、この心意識に由らずということなし。 是を以って禅門は心を了却す、頓に無生に入るは知見の力なり。 大丈夫慧剣を秉(と)る、般若の鉾、金剛の焔。 但能く外道の心を摧(くだ)くのみに非ず、早く曽て天魔の胆を落却す。 法雷を震(ふる)い法皷をうち、慈雲を布(し)き甘露を洒(そそ)ぐ。 竜象の蹴踏(しゅうとう)潤い無辺、三乗五性みな醒悟す。 雪山の肥膩(ひに)更に雑(まじわ)りなし、純(もっぱ)ら醍醐を出す我れ常に納む。 一性円に一切の性に通じ、一法あまねく一切の法を含む。 一月普く一切の水に現じ、一切の水月一月に摂す。 諸佛の法身我が性に入り、我が性還た如来と合す。 一地に具足す一切地、色に非ず心に非ず行業に非ず。 弾指に円成す八万の門、刹那に滅却す三祇劫。 一切の数句は数句に非ず、吾が霊覚と何んぞ交渉せん。 毀(そし)るべからず讃(ほ)むるべからず、体は虚空の若く涯岸なし。 当処を離れずして常に湛然たり、もとむれば即ち知る君が見るべからざることを。 取ることを得ず捨つることを得ず、不可得の中只麼(しも)に得たり。 黙の時説、説の時黙、大施門開いて雍塞(ようそく)なし。 人あって我に何んの宗をか解すと問わば、報じて道わん摩訶般若の力と。 或は是或は非、人識らず、逆行順行天も測ることなし。 吾早く曽って多劫を経て修す、是れ等閑(なおざり)に相誑惑(おうわく)するにあらず。 法幢を建て宗旨を立す、明明たる佛勅曹谿是れなり。 第一迦葉首(はじ)めて燈を伝う、二十八代西天の記。 江海を歴てこの土に入る、菩提達磨を初祖となす。 六代の伝衣天下に聞こゆ、後人、道を得る何んぞ数を窮めん。 真をも立せず妄本空なり、有無倶に遣れば不空も空なり。 二十の空門元著せず、一性如来体自ら同じ。 心は是れ根、法は是れ塵、両種なほ鏡上の痕の如し。 痕垢(こんく)ことごとく除いて光り始めて現ず、心法ならび亡じて性即ち真なり。 ああ末法の悪時世、衆生薄福にして調制し難し。 聖を去ること遠くして邪見深し、魔強く法弱くして怨害多し。 如来頓教の門を説くことを聞いて、滅除して瓦の如く砕かしめざることを恨む。 作は心にあり殃(わざわい)は身にあり、怨訴して更に人をとがむることを須(もち)いざれ。 無間の業を招かざることを得んと欲せば、如来の正法輪を謗することなかれ。 栴檀林には雑樹なし、鬱密深沈として獅子のみ住す。 境、静に林間にして独り自ら遊ぶ、走獣飛禽皆遠く去る。 獅子児衆(おお)く後(しりえ)に随う、三歳にして便ち能く大に哮吼(こうく)す。 若し是れ野干(やかん)、法王を逐うならば、百千の妖怪も虚(みだ)りに口を開かん。 円頓の教は人情没(な)し、疑ありて決せずんば直に須らく争うべし。 是れ山僧が人我を逞(たくま)しうするにあらず、修行恐くは断常の坑(きょう)に堕せん。 非も非ならず是も是ならず、之に差うこと毫釐もすれば失すること千里。 是なるときは龍女も頓に成仏し、非なるときは善星も生きながら陥墜す。 吾れ早年より来(このか)た学問を積み、亦曽って疏(しょ)を討(たず)ね経論を尋ぬ。 名相を分別して休することを知らず、海に入り沙(いさご)を算へて徒(ただ)に自ら困す。 却って如来に苦(ねんご)ろに呵責せらる、他の珍宝を数えて何んの益かあると。 従来蹭蹬(そうとう)として虚(みだ)りに行ずることを覚う、多年枉(ま)げて風塵の客となる。 種性(しゅしょう)邪なれば錯って知解す、如来円頓の制に達せず。 二乗は精進にして道心なく、外道は聡明にして智慧なし。 亦愚痴亦小駭(しょうがい)、空挙指上に実解を生ず。 指を執して月となす枉(まげ)て功を施す、根境法中虚りに捏怪(ねっかい)す。一法を見ざれば即ち如来なり、方に名けて観自在と為すことを得。 了ずれば即ち業障本来空、未だ了ぜされば還た須らく宿債を償うべし。 飢えて王膳に逢うとも食うこと能わずんば、病んで医王に遇うとも争(いかで)かイ(い)ゆることを得ん。 欲にありて禅を行ずるは知見の力なり、火中に蓮を生ず終に壊せず。 勇施、重を犯して無生を悟り、早時、成仏して今にあり。 獅子吼、無畏の説、深く嗟(なげ)く蒙憧(もうどう)たる頑皮靼(がんぴたん)。 但犯重の菩提を障(さ)うることを知って、如来の秘訣を開くことを見ず。 二比丘あり婬殺を犯す、波離の螢光罪結を増す。 維摩居士頓に疑いを除く、猶赫日(かくじつ)の霜雪を銷(しょう)するが如し。 不思議解脱の力。妙用恒沙也極りなし。 四事の供養敢えて労を辞せんや、万両の黄金も亦銷得す。 粉骨砕身も未だ酬ゆるに足らず、一句了然として百億を超う。 法中の王最も高勝、河沙の如来同く共に証す。 我れ今この如意珠を解す、之を信受するものは皆相応す。 了了として見るに一物無し、亦人も無く亦佛も無し。 大千沙界海中の泡、一切の賢聖は雷の払うが如し。 仮使(たとい)鉄輪頂上に旋(めぐ)るも、定恵円明にして終に失せず。 日は冷(ひやや)かなるべく月は熱かるべくとも、衆魔も真説を壊すること能はず。 象駕(ぞうが)崢嶸(そうこう)として漫(みだり)に途に進む、誰か見る蟷螂(とうろう)の能く轍(てつ)を拒むことを。 大象兎径に遊ばず、大悟小節に拘らず。 管見をもって蒼々を謗することなかれ、未だ了ぜざれば吾今君が為に決せん。

永嘉証道歌終る

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