【お経】
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  妙法蓮華経如来寿量品
鳩摩羅什( くまらじゅう)三蔵(350~409AD)訳の「法華経」二十八品の第十六章。
偈文は、自我偈ともいう。。

妙法蓮華経 如来寿量品第十六

爾時仏告諸菩薩及一切大衆諸善男子。汝等当信解如来誠諦之語。復告大衆。汝等当信解如来誠諦之語。又復告諸大衆。汝等当信解如来誠諦之語。是時菩薩大衆。弥勒為首合掌白仏言。世尊。唯願説之。我等当信受仏語。如是三白已。復言唯願説之。我等当信受仏語。爾時世尊。知諸菩薩三請不止。而告之言。汝等諦聴。如来秘密神通之力。一切世間天人及阿修羅。皆謂今釈迦牟尼仏出釈氏宮。去伽耶城不遠坐於道場。得阿耨多羅三藐三菩提。然善男子。我実成仏已来。無量無辺百千万億那由他劫。譬如五百千万億那由他阿僧祇三千大千世界。假使有人末為微塵。過於東方五百千万億那由他阿僧祇国。乃下一塵。如是東行尽是微塵。諸善男子。於意云何。是諸世界。可得思惟校計知其数不。弥勒菩薩等倶白仏言。世尊。是諸世界無量無辺非算数所知。亦非心力所及。一切声聞辟支仏。以無漏智。不能思惟知其限数。我等住阿惟越致地。於是事中亦所不達。世尊。如是諸世界無量無辺。爾時仏告大菩薩衆。諸善男子。今当分明宣語汝等。是諸世界。若著微塵及不著者。尽以為塵一塵一劫。我成仏已来。復過於此百千万億那由他阿僧祇劫。自従是来。我常在此娑婆世界説法教化。亦於余処百千万億那由他阿僧祇国導利衆生。諸善男子。於是中間。我説燃灯仏等。又復言其入於涅槃。如是皆以方便分別。諸善男子。若有衆生来至我所。我以仏眼。観其信等諸根利鈍。随所応度。処処自説名字不同年紀大小。亦復現言当入涅槃。又以種種方便説微妙法。能令衆生発歓喜心。諸善男子。如来。見諸衆生楽於小法徳薄垢重者。為是人説。我少出家得阿耨多羅三藐三菩提。然我実成仏已来久遠若斯。但以方便教化衆生。令入仏道作如是説。諸善男子。如来所演経典。皆為度脱衆生。或説己身或説他身。或示己身或示他身。或示己事或示他事。諸所言説皆実不虚。所以者何。如来。如実知見三界之相。無有生死若退若出。亦無在世及滅度者。非実非虚非如非異。不如三界見於三界。如斯之事。如来明見無有錯謬。以諸衆生有種種性種種欲種種行種種憶想分別故。欲令生諸善根。以若干因縁譬喩言辞種種説法。所作仏事未曽暫廃。如是我成仏已来甚大久遠。寿命無量阿僧祇劫常住不滅諸善男子。我本行菩薩道所成寿命。今猶未尽復倍上数。然今非実滅度。而便唱言当取滅度。如来以是方便教化衆生。所以者何。若仏久住於世。薄徳之人不種善根。貧窮下賎貪著五欲。入於憶想妄見網中。若見如来常在不滅。便起憍恣而懐厭怠。不能生難遭之想恭敬之心。是故如来以方便説。比丘当知。諸仏出世難可値遇。所以者何。諸薄徳人。過無量百千万億劫。或有見仏或不見者。以此事故我作是言。諸比丘。如来難可得見。斯衆生等聞如是語。必当生於難遭之想。心懐恋慕渇仰於仏。便種善根。是故如来。雖不実滅而言滅度又善男子。諸仏如来法皆如是。為度衆生皆実不虚。譬如良医智恵聰達。明練方薬善治衆病。其人多諸子息。若十二十乃至百数。以有事縁遠至余国。諸子於後飲他毒薬。薬発悶乱宛転于地。是時其父還来帰家。諸子飲毒。或失本心或不失者。遙見其父皆大歓喜。拝跪問訊善安隠帰。我等愚癡誤服毒薬。願見救療更賜寿命。父見子等苦悩如是。依諸経方。求好薬草色香美味皆悉具足。擣篩和合与子令服。而作是言。此大良薬。色香美味皆悉具足。汝等可服。速除苦悩無復衆患。其諸子中不失心者。見此良薬色香倶好。即便服之病尽除愈。余失心者。見其父来。雖亦歓喜問訊求索治病。然与其薬而不肯服。所以者何。毒気深入失本心故。於此好色香薬而謂不美。父作是念。此子可愍。為毒所中心皆顛倒。雖見我喜求索救療。如是好薬而不肯服。我今当設方便令服此薬。即作是言。汝等当知。我今衰老死時已至。是好良薬今留在此。汝可取服勿憂不差。作是教已復至他国。遣使還告。汝父已死。是時諸子聞父背喪。心大憂悩而作是念。若父在者。慈愍我等能見救護。今者捨我遠喪他国。自惟孤露無復恃怙。常懐悲感心遂醒悟。乃知此薬色味香美。即取服之毒病皆愈。其父聞子悉已得差。尋便来帰咸使見之諸善男子。於意云何。頗有人能説此良医虚妄罪不。不也世尊。仏言。我亦如是。成仏已来。無量無辺百千万億那由他阿僧祇劫。為衆生故。以方便力言当滅度。亦無有能如法説我虚妄過者。爾時世尊欲重宣此義。
而説偈言
 自我得仏来 所経諸劫数  無量百千万 億載阿僧祇 
 常説法教化 無数億衆生  令入於仏道 爾来無量劫 
 為度衆生故 方便現涅槃  而実不滅度 常住此説法 
 我常住於此 以諸神通力  令顛倒衆生 雖近而不見 
 衆見我滅度 広供養舎利  咸皆懐恋慕 而生渇仰心 
 衆生既信伏 質直意柔軟  一心欲見仏 不自惜身命 
 時我及衆僧 倶出霊鷲山  我時語衆生 常在此不滅 
 以方便力故 現有滅不滅  余国有衆生 恭敬信楽者 
 我復於彼中 為説無上法  汝等不聞此 但謂我滅度 
 我見諸衆生 沒在於苦悩  故不為現身 令其生渇仰 
 因其心恋慕 乃出為説法  神通力如是 於阿僧祇劫 
 常在霊鷲山 及余諸住処  衆生見劫尽 大火所焼時 
 我此土安隠 天人常充満  園林諸堂閣 種種宝荘厳 
 宝樹多花菓 衆生所遊楽  諸天撃天鼓 常作衆伎楽 
 雨曼陀羅花 散仏及大衆  我浄土不毀 而衆見焼尽 
 憂怖諸苦悩 如是悉充満  是諸罪衆生 以悪業因縁 
 過阿僧祇劫 不聞三宝名  諸有修功徳 柔和質直者 
 則皆見我身 在此而説法  或時為此衆 説仏寿無量 
 久乃見仏者 為説仏難値  我智力如是 恵光照無量 
 寿命無数劫 久修業所得  汝等有智者 勿於此生疑 
 当断令永尽 仏語実不虚  如医善方便 為治狂子故 
 実在而言死 無能説虚妄  我亦為世父 救諸苦患者 
 為凡夫顛倒 実在而言滅  以常見我故 而生憍恣心 
 放逸著五欲 墮於悪道中  我常知衆生 行道不行道 
 随所応可度 為説種種法  毎自作是意 以何令衆生 
 得入無上恵 速成就仏身

如来寿量品第十六

如来寿量品偈( にょらいじゅりょうほんげ ) 読み

自我得仏来 所経諸劫数 無量百千万 憶載阿僧祇( じーがーとくぶつらい   しょーきょうしょーこうしゅー むーりょーひゃくせんまん おくさいあーそうぎー )

常説法教化 無数億衆生 令入於仏道 ○爾来無量劫( じょうせっぽうきょうけー むうそうおくしゅーじょう  りょうにゅうおーぶつどう   にーらいむーりょうこう )

為度衆生故 方便現涅槃 而実不滅度 常住此説法( いーどーしゅーじょうこー  ほうべんげんねーはん  にーじつふーめつどう  じょうじゅうしーせっぽう )

我常住於此 以諸神通力 令顛倒衆生 雖近而不見( がーじょうじゅーおーしー  いーしょーじんつうりき  りょうてんどうしゅーじょう  すいごんにーふーけん )

衆見我滅度 広供養舎利 咸皆懷恋慕 而生渇仰心( しゅーけんがーめつどー  こうくーようしゃ-りー  げんかいえーれんぼー  にーしょうかつごうしん )

衆生既信伏 質直意柔軟 一心欲見仏 不自惜身命( しゅーじょうきーしんぷく  しつじきいーにゅうなん  いっしんよくけんぶつ  ふーじーしゃくしんみょう )

時我及衆僧 倶出霊鷲山 我時語衆生 常在此不滅( じーがーぎゅうしゅーじょう  ぐーしゅつりょうじゅうせん  がーじーごーしゅーじょう  じょうざいしーふーめつ )

以方便力故 現有滅不滅 余国有衆生 恭敬信楽者( いーほうべんりきこー  げんうーめつふーめつ  よーこくうーしゅーじょう  くーぎょうしんぎょうしゃー )

我復於彼中 為説無上法 汝等不聞此 但謂我滅度( がーぶーおーひーちゅう  いーせつむーじょうほう  にょーとうふーもんしー  たんいーがーめつどう )

我見諸衆生 没在於苦海 故不為現身 令其生渇仰( がーけんしょーしゅーじょう  もつざいおーくーかい  こーふーいーげんしん  りょうごーしょうかつごう )

因其心恋慕 乃出為説法 神通力如是 於阿僧祇劫( いんごーしんれんぼー  ないしゅつりょうじゅーせん  じんつうりきにょーぜー  おーあーそうぎーこー )

常在霊鷲山 及余諸住処 衆生見劫尽 大火所焼時( じょうざいりょうじゅーせん ぎゅうよーしょーじゅうしょー  しゅーじょうけんこうじん  だいかーしょーしょうじー )

我此土安穩 天人常充満 園林諸堂閣 種種宝荘厳( がーしーどーあんのん  てんにんじょうじゅうまん  おんりんしょーどうかく  しゅじゅーほうしょうごん )

宝樹多華果 衆生所遊楽 諸天撃天鼓 常作衆伎楽( ほうじゅーたーけーかー  しゅーじょうしょーゆうらく  しょーてんきゃくてんくう  じょうさーぎーがく )

雨曼陀羅華 散仏及大衆 我浄土不毀 而衆見焼尽( うーまんだーらーけー  さんぶつぎゅうだいしゅー  がーじょうどふきー  にーしょーけんしょうじん )

憂怖諸苦惱 如是悉充満 是諸罪衆生 以悪業因縁( うーふーしょーくのう  にょーぜーしつじゅうまん  ぜーしょーざいしゅーじょう  いーあくごういんねん )

過阿僧祇劫 不聞三宝名 諸有修功徳 柔和質直者( かーあーそうぎーこう  ふーさんぽうみょう  しょーうーしゅうくーどく  にゅうわーしつじきしゃー )

則皆見我身 在此而説法 或時為此衆 説仏寿無量( そくかいけんがーしん  ざいしーにーせっぽう  わくじーいーしーしゅー  せつぶつじゅーむーりょう )

久乃見仏者 為説仏難値 我智力如是 慧光照無量( くーないけんぶつしゃー  いーせつぶつなんちー  がーちーりきにょーぜー  えーこうしょうむーりょう )

寿命無数劫 久修業所得 汝等有智者 勿於此生疑( じゅーみょうむーしゅーこう  くーしゅうぎょうしょーとく  にょーとううーちーしゃー  もっとーしーしょうぎー )

当断令永尽 仏語実不虚 如医善方便 為治狂子故( とうだんりょうようじん  ぶつごーじつふーこー  にょーいーぜんほうべん  いーじーおーしーこー )

実在而言死 無能説虚妄 我亦為世父 救諸苦患者( じつざいにーごんしー  むーのうせつこーもう  がーじーいーせーぶー  ぐーしょーくーげんしゃー )

為凡夫転倒 実在而言滅 以常見我故 而生驕恣心( いーぼんぷーてんどう  じつざいにーごんしー  いーじょうけんがーこー  にーしょうきょうしーしん )

放逸著五欲 堕於悪道中 我常知衆生 行道不行道( ほういつじゃくごーよく  だーおーあくどうちゅう  がーじょうちーしゅーじょう  ぎょうどうふーぎょうどー )

随応所可度 為説種種法 ●毎自作是念 以何令衆生( ずいおうしょーかどー  いーせつしゅーじゅーほう    まいじーさーぜーねん  いーがーりょうしゅーじょう )

得入無上道 速成就仏身( とくにゅうむーじょうどう  そくじょうじゅーぶっしん )





対和訳




自我得仏来 所経諸劫数 
無量百千万 憶載阿僧祇
 我 得仏してより来(このかた) 経たる所の諸の劫数は
 無量百千万 憶載阿僧祇なり
常説法教化 無数億衆生 
令入於仏道 爾来無量劫
 常に説法教化すること 無数億の衆生
 仏道に入ら令め 尓来無量劫なり
為度衆生故 方便現涅槃 
而実不滅度 常住此説法
 衆生を度せんが為の故に 方便にて涅槃を現ず
 而も実には滅度せず 常に此に住して説法す
我常住於此 以諸神通力 
令顛倒衆生 雖近而不見
 我れ常に此に住し 諸の神通力を以て 
 顛倒の衆生をして 近しと雖も見ざらしむ
衆見我滅度 広供養舎利 
咸皆懷恋慕 而生渇仰心
 衆我れ滅度すと見て 広く舎利を供養し 
 咸く皆恋慕懐き 渇仰の心を生ず
衆生既信伏 質直意柔軟 
一心欲見仏 不自惜身命
 衆生既に信伏し 質直にして意は柔軟に
 一心に仏を見んと欲して 自ら身命を惜しまず
時我及衆僧 倶出霊鷲山 
我時語衆生 常在此不滅
 時に我れ及び衆僧 共に霊鷲山に出ず 
 我れ時に衆生に語る 常に此に在って不滅なり
以方便力故 現有滅不滅 
余国有衆生 恭敬信楽者
 方便力を以ての故に 滅不滅有りと現ず 
 余国に衆生有りて 恭敬し信楽する者
我復於彼中 為説無上法 
汝等不聞此 但謂我滅度
 我れ復た彼の中に於いて 為に無上の法を説く 
 汝等此を聞かず 但我滅度すと謂う
我見諸衆生 没在於苦海 
故不為現身 令其生渇仰
 我れ諸の衆生を見るに 苦海に没在せり 
 故に為に身を現ぜず 其をして渇仰を生ぜしむ
因其心恋慕 乃出為説法 
神通力如是 於阿僧祇劫
 其心恋慕するに因りて 乃ち出でて為に説法す 
 神通力是の如し 阿僧祇劫に於いて
常在霊鷲山 及余諸住処 
衆生見劫尽 大火所焼時
 常に霊鷲山に在り 及び余の諸の住処 
 衆生は劫尽くるを見 大火に焼かるる時
我此土安穩 天人常充満 
園林諸堂閣 種種宝荘厳
 我が此土は安穩にして 天人常に充満せり 
 園林諸の堂閣 種種の宝にて荘厳され
宝樹多華果 衆生所遊楽 
諸天撃天鼓 常作衆伎楽
 宝樹多くの華や果 衆生遊楽するところ
 諸天天鼓撃ち 常に衆の伎楽を作し
雨曼陀羅華 散仏及大衆 
我浄土不毀 而衆見焼尽
 曼陀羅華を雨らし 仏及大衆に散ず 
 我が浄土は毀れず 而も衆は焼け尽き
憂怖諸苦惱 如是悉充満 
是諸罪衆生 以悪業因縁
 憂怖や諸苦悩は 是の如く悉く充満せりと見る
 是の諸の罪の衆生は 悪業の因縁を以て
過阿僧祇劫 不聞三宝名 
諸有修功徳 柔和質直者
 阿僧祇劫を過ぐれど 三宝の名を聞かず 
 諸の有るところの功徳を修し 柔和質直なる者は
則皆見我身 在此而説法 
或時為此衆 説仏寿無量
 則ち皆我が身と此に在って説法するを見る 
 或時は此衆の為に 仏寿無量なりと説く
久乃見仏者 為説仏難値 
我智力如是 慧光照無量
 久しくあって仏を見る者 為に仏は値い難しと説く 
 我が智力如是にして 慧光照すこと無量
寿命無数劫 久修業所得 
汝等有智者 勿於此生疑
 寿命は無数劫 久しく業を修して得る所なり 
 汝等智有らん者 此に於いて疑を生ずること勿れ
当断令永尽 仏語実不虚 
如医善方便 為治狂子故
 当に断じて永く尽かしめよ 仏語実にして虚しからず 
 医の如く善方便にて 狂子を治すが為の故に
実在而言死 無能説虚妄 
我亦為世父 救諸苦患者
 実在すれど死すと言い 能く虚妄なりと説く無し
 我れ亦為世父 諸苦患の者を救う
為凡夫転倒 実在而言滅 
以常見我故 而生驕恣心
 凡夫転倒せる為 実在すれど滅すと言う 
 常に我れを見るを以ての故に 而も驕恣の心を生じ
放逸著五欲 堕於悪道中 
我常知衆生 行道不行道
 放逸にして五欲に著み 悪道の中に堕つ 
 我れ常に知る 衆生の道を行ずると道を行ぜざるとを
随応所可度 為説種種法 
毎自作是念 以何令衆生
 度すべき所に応じて 為に種種の法を説き 
 毎に自ら是念を作す 何を以て衆生をして
得入無上道 速成就仏身  無上道に入らしめ 速かなる仏身成就を得せしめんかと


 

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