・・・・・・平成30年07月・・・・・・

 「観音菩薩
 観音菩薩は、梵語(サンスクリット)では、「アヴァロキティシュバラ」と言います。アヴァ(遍く)ロキティ(観る)シュバラ(自在者)という語の合成語との説が有力です。玄奘三蔵による訳が「観自在菩薩」で、鳩摩羅什の訳が「観世音菩薩」となっていますが、その意味するところは「遍く世間を仏の智慧をもって自在に導く菩薩」ということです。阿弥陀三尊の脇侍として勢至菩薩と共に安置されているのが基本形でしたが、観音経の信仰もあってか今日では観音菩薩単独で祀られることの方が多くなり、地蔵菩薩と並んで抜苦与楽の現世利益の信仰からその人気は絶大です。
 ところで観音さまは男性でしょうか、女性でしょうか。「慈母観音」という言葉からは女性のように思えますし、「観音大士」という言葉からは男性のようにも思えます。しかし、顔つきや体型から女性的な印象の方が強い気がします。観音経の中には、「應以長者。居士。宰官。婆羅門。婦女身得度者。即現婦女身而為説法」とありますように、観音さまは三十三身に身を現じて説法されると説かれています。つまり観音さまは変幻自在の存在で、「念彼観音力」と乞われればどんな身にもなって、いつでもどんな所にでも救済に赴くとされるのです。

合掌


来月も予定しています。光泰九拝
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