・・・・・・平成30年03月・・・・・・

 「普賢菩薩
 今月は「普賢菩薩」のお話です。前回の「文殊菩薩」とともに釈迦三尊の脇侍として有名で、白象の背に坐している姿が一般的ですが、五仏がついている冠を戴せていたり、左手に宝剣を立てた蓮茎を持つ姿や、右手に如意や教典を持つ姿などその姿が多様であるのが特徴と言えます。「四七忌」の導師で真言は、「オン サンマヤ サトバン」で、この真言を唱えれば、災いを避け、寿命が延びるといわれます。梵名は「サマンタバドラ」と言い、「サマンタ」は「普く」、「バドラ」は「賢い」を意味します。文字通りの「普賢菩薩」ということです。
 智慧の文殊に対し、普賢菩薩は慈悲の実行を象徴する仏として釈迦如来の脇侍を努めます。法華経「普賢菩薩勧発品」では六牙の白象に乗った普賢菩薩が修行者を守護し、理・定・行をつかさどるとされており、白象が進とき、それを妨げるものはないといい、象は徹底した「行」の象徴であり、白は衆生済度の「自利利他」の象徴であり、六本の牙は「六波羅蜜」の象徴であるといわれます。六波羅蜜のうち、心の安定を修する行の禅定をつかさどり、一切にわたる最もすぐれた善を説く菩薩で、密教の金剛サッタと同体異名ともいわれます。
 さらに、この菩薩が発展して密教の仏として表現されたのが普賢延命菩薩で、この菩薩の場合は、一身四頭(三頭)の白象に騎乗され、その名のとおり、寿命を延ばす御利益と福徳を与える仏とされることから普賢信仰が広まりました。日本では平安中期以降、女性の救済を説く法華経の普及によって、主に貴婦人たちから信仰を集めたといわれます。法華経では、はじめの方の主役は「智慧」の文殊菩薩であり、中程においては「慈悲」の弥勒菩薩であり、さいごの結びにおいては「行」の普賢菩薩であるという設定になっています。

合掌


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