・・・・・・平成23年1月・・・・・・ | |||||||||||||
「柳は緑、花は紅」
恭 賀 新 年 ![]() 自分たちの周りを広く見渡せば、自分たちがありのままの自然の中に生かされた命であることを実感します。冬は寒く、雪も降り、その雪は白く、辺りを白く包みます。木々はすっかり葉を落とし、来る春に備えています。お寺の裏手で、寒さの中、椿の花が一段と赤く色を放って、その葉は重厚な緑を湛えています。 宋代の詩人・蘇東坡(そとうば)は、「柳緑 花紅 真面目(やなぎはみどり はなはくれない しんめんもく)」と詠いました。目の前にある春の景色を目の当たりにして「柳は緑色で、花は紅に染まり、これが本来のありのままの姿そのままだ」と詠嘆したのです。柳が新緑の枝を垂らし、花が紅に咲き誇っています。この光景は何千年と繰り返されてきた春の景色です。ただそれだけです。ただそれだけなのに、敢えて「真面目(しんめんもく)」と感動したのです。柳は柳として、何も隠すことなく堂々と現し、花も花として、その姿を示しています。柳は柳、花は花、そこには価値の優劣はなく、あるのは真実だけです。 ありのままを、ありのままに受け取り、そこに真実を観ることが、「禅」の心そのものです。自然は何も隠さず堂々と私たちの前にその姿を現しています。ありのままが真実です。余計な価値判断を捨て去り、純粋な心で物事を見てみようではありませんか。心の目を見開いて、歩んでいきたいものです。 合掌 |
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来月も予定しています。光泰九拝 |
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