・・・・・・平成22年11月・・・・・・
端 心 正 念 (たんしんしょうねん)
 お釈迦様の最後のお示し『仏遺教経(ぶつゆいきょうぎょう)』に、「端心正念(たんしんしょうねん)」という言葉があります。 「端」とは、「端(はし)っこ」ではなく、「かたよらない」ことです。「端心正念」とは「かたよらない心を正しく保って、心に諸悪を起こさないこと」を示します。
  お釈迦様は示します「(よし)みを貴人に結び、親厚媟慢(しんこうせつまん)することを得ざれ。端心正念にして度(ど)を求むべし」と、「偉い人や身分の高い人と親しくし、それを誇り自慢してはいけない。かたよらない心を正しく保ち持って、悟り(度・自己人格の完成)を求めなさい」。「媟(せつ)」とは、「なれなれしくする」「あなどる」の意味で、「慢(まん)」は自慢することです。
  「親厚媟慢」は、偉い人となれなれしくして、それを自慢することを云います。世の中に、こうゆう人はたくさんいます。大衆の前であればある程、なれなれしくして見せる人。「私はあの人をよく知っている」「一緒に写真を撮った」「食事をしたことがある」。自分を高く見せたいのでしょうか、いやらしく感じます。それよりか、何も語らず、黙々と人知れず道路を掃き清めたり、道端に花を咲かせて人々に喜びを与えるような人を尊く思います。
 「端心」は「端座(たんざ)」より生まれてきます。「姿勢を正しくし、呼吸を整え、心を正しく調える」。正しい姿から、正しい心が生れ、きちんと座れば心もきちんとするのです。大切な話をするときには、きちんと座る。胡坐(あぐら)をかいたら胡坐の話。歩きながらの話は、歩きながらの話です。正座をすれば、正座の話ができるのです。心を正しくし、行いを正すこと、実践がなにより大切です。
 お釈迦様は「親厚媟慢」の心を戒め、そうゆう心を全て捨て去って「端心」になりなさいと教えて下さいました。しっかりと受け止めたい教えです。
                                    合掌


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