日本中が新緑や花々に彩られ、活力に満ちた季節となりました。
テレビや雑誌などで、広大な大地が、花々や草木で錦の織物の様に彩られた風景を見ます。
皆さんは、ご存じでしょうが、色とりどりの織物は縦糸と横糸で織られています。縦糸と横糸が組み合わされて、織物ができます。
その縦糸は織物を支える糸で、色を染めません。無色なのです。
そして、縦糸は支える糸ですから、表には出ません。縦糸が織物の表に出てきたら、それはほころびです。縦糸は見えてはいけない。織物の内側でじっと支えているのです。
では、横糸はどうでしょうか?
横糸はガラを表します。目に見える色柄・模様は横糸の姿なのです。
私たちの人生は、織物にも例えられ、縦糸と横糸によって組み合わされ色模様をなしていくのです。
縦糸はそれぞれの寿命だと思います。それぞれ長さの違う縦糸を生きているのです。
そして、横糸は、その人の生き様なのです。どう生きているのか、その時その時の行いが色模様となって現れていくのです。縦糸は無色です。行いという横糸が色柄をなしていきます。今、こうしている時にも、私たちそれぞれの織物が織られ続けています。
また、一度織られてしまった人生の色模様は、後から直すことができません。
ですからこそ、今この時が大切なのです。いたずらに時を過ごすことなく、全力で今を輝かせて生きる。
長さもわからない、寿命という無色の縦糸に、その時その時の行いの横糸を組み合わせて生きていく。
日々の行いを大切にして、後悔することのない人生を織りなして行きたいものです。
※この原稿は、大本山総持寺ニコニコ法話で、5月21日より27日まで放送します。
合掌
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