道元禅師_全超寺

道元（どうげん）

　仏教宗派曹洞宗を中国より招来、布教する。希玄と号す。
　日本の曹洞宗では太祖 瑩山紹瑾禅師（總持寺開山）と並び高祖とされる。
　京都深草興聖寺・福井県永平寺（大佛寺）を創建。
　仏性伝東国師・承陽大師の諡号を賜る。


道元禅師頂相

<生年月日>
　正治2年1月2日（1200年1月19日）～
<没年月日>
　建長5年8月28日（1253年9月22日）〔享年５４歳〕

<出生について>
　父親通親（内大臣土御門天皇の外祖父源通親あるいは久我通親）と、
　母親伊子(藤原基房（摂政関白）の娘)の子として、京都木幡の松殿山荘で出生。
　幼名を文殊丸と呼ばれる。
　※ 父親を別説では、通親の子、通宗、通光或は堀川通具とする。
　『建撕記（けんぜいき）』によれば、建仁2年（1202）3歳で父を、承元元年（1207）8歳で母を失って、異母兄である堀川通具の養子となる。
　浄土真宗の開祖親鸞とは、母方の縁戚にあたるとの説もある。

<主な活動>
　・建保元年（1213年）満13歳天台宗比叡山延暦寺にて天台座主公円について出家、仏法房道元と名乗る。
　・建保3年（1215年）満15歳天台宗三井寺公胤の元で天台教学を学ぶ。
　・建保5年（1217年）満17歳臨済宗建仁寺へ。栄西没後直弟子明全に師事す。
　・貞応2年（1223年）満23歳明全和尚とともに博多を出航し、宋の明州慶元府（中国浙江省寧波）に到着。
　・貞応3年（1224年）満24歳諸山を巡拝。
　・嘉禄元年(1225年）満25歳 天童山景徳寺長翁如浄（ちょうおうにょじょう）禅師に参ず。5月明全逝去。
　・安貞元年(1227年）満27歳如浄禅師より印可を受ける。帰国。建仁寺に仮寓。明智禅尼と出会う。
　・安貞2年（1228年）満28歳如浄禅師遷化（1163-1228）。『普勧坐禅儀』を撰述す。
　・寛善2年(1230年）満30歳京都深草の安養院に移住。
　・寛善3年（1231年）満31歳『正法眼蔵辨道話』を撰述
　・天福元年（1233年）満33歳京都深草に、わが国初の本格的な坐禅道場 観音導利院興聖宝林寺創建。
　・文暦元年（1234年）満34歳日本達磨宗懐奘入門。
　・嘉禎3年（1237年）「典座教訓」撰述。日本達磨宗義介・義尹・義演等入門。
　・寛元元年（1243年）満43歳越前国（福井県）の地頭波多野義重の招きで越前志比荘に移転。
　・寛元2年（1244年）満44歳越前国（福井県）に傘松峰大佛寺を創建。
　・寛元4年（1246年）満46歳大佛寺を永平寺と改める。この頃号を希玄と改める。
　・寶治元年（1247年）満47歳執権北条時頼、波多野義重らの招請により鎌倉にて教化活動。
　・寶治2年（1248年）満48歳鎌倉より帰山。山号を傘松峰から吉祥山と改める。
　・建長2年（1250年）満49歳嵯峨上皇より紫衣を賜わるが固辞す。
　・建長5年（1253年）満53歳病気療養の爲、永平寺を弟子の孤雲懐奘に譲る。俗弟子覚念の屋敷（京都高辻西洞院）にて遷化。

<主な著作>
　・『正法眼蔵』・『永平広録』・『永平清規』・『典座教訓』・『赴粥飯法』・『護国正法義』・『普勧坐禅儀』・『学道用心集』・『対大己五夏闍梨法』・『知事清規』・『宝慶記』・『傘松道詠』・『正法眼蔵随聞記』（侍者懷奘編）　… など