天高く馬肥ゆる秋。空気も澄んで秋風に清涼感を感じます。
そんな時 心静かに道元禅師のことばを読んでみましょう。
「須(すべか)らく言(げん)を尋ね 語を遂(お)うの解行(げぎょう)を休すべし。須らく回光返照(えこうへんしょう)の退歩(たいほ)を学すべし。」(『普勧坐禅儀』)
他人の言葉に答えを探し、他人の考えに追随している自分を見直してみましょう。外に向いている目を自分の方に向けて、自分を見つめ直して見ましょう。という意味です。
様々な「勉強会」や「セミナー」に出かけたり、他人の書物を読んでありがたがっている。
他人の意見や考えばかり引用して、自分の意見や考えを持てずにいることはないでしょうか。
「回光返照」とは、外にばかり向かっている心を、自分の内に返し向け、本来の自分の心を照らし出すことです。外ばかり向いていたライトを、自分の内側に向けるのです。
明るく照らされた自分の内側には、すばらしい自分自身が見えてきます。偉い人の講話や著名人の教えは、やはり他人のものです。それに振り回されて右に左にブレていませんか。
まず自分自身にライトを当ててみる。本来の自分をしっかりとつかんでおくことが大事です。他人の言葉にばかり頼っていると、本当の自分を見失ってしまいます。
秋の夜長、読書の秋とも申しますが、外にばかり心を向けるのではなく、時々はそれを休んで、自分と向き合い自分自身を確かめてみましょう。

「主人公」はあなた自身ですよ。
合掌 |
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